板門店ツアー その1
平成19年5月12日
朝、7時半の昨夜仕掛けたモーニングコールで目が覚める。
外は、どうやら雨が降っているようだ。
今日は10時にロビーで集合して、板門店ツアーに参加することになっていますが、それまでの時間を昨晩Mさんは朝食食べたら南大門市場を散歩してくると言って、Iさんは10時までゆっくりしているって言ってました。

自分は、日本で申し込んだKRパス(韓国鉄道公社に乗れる外国人向けフリーパス)を引換え明日のるKTXの指定券を確保すべくソウル駅に行こうと、NHKを見ながら着替えて用意をしていたら8時を過ぎてしまった。

身支度をして外は雨が降っているので、傘を借りようとフロントに行き「Could you lent a umbrella?」と聞くと、デポジットとして10000ウォンと言う。傘が無ければ仕方ないので、10000ウォンを払いホテルの傘を借りて出発。

歩いて、地下鉄2号線の乙支路1街駅へ向かいます。土曜の朝とあって人もまばらな街をあるき地下鉄の入口へ。
まずは、地下鉄の切符と言うか、ソウル版Suicaである「Tマネー」をGETしようと窓口に行き、10000ウォンを出して「Tマネー」と言うとカードを取り出し、これかと聞くのでうなずくと、今度はカードに指を差すので、「Yes」と言うと7000ウォンをチャージしてくれ、500ウォンのお釣りとカードを呉れました。カードのデポジットが2500ウォン(約300円)でチャージが1000ウォン単位なので7000ウォン(約900円)と言うことです。

乙支路1街駅は方面別改札なので、どっちの改札かな?と表示を見ると「City Hall」の文字を見つけこっちだなと改札機にカードをかざして無事に入場。900ウォン差し引かれて表示が出ていました。
ちなみにこのカードを使わない(切符を買う)と1000ウォンです。
ソウルの地下鉄は路線ごとに日本と同じ左通行と逆の左通行と異なるので、ちょっと乗換えの時に勘違いしやすいので注意が必要です。韓国の鉄道は戦前は日本の影響下、戦後はアメリカの影響下により造られたので、国鉄は日本と同じ、地下鉄も国鉄と乗入れ路線を除き、逆と言うチグハグな状況になっています
ホームに下りるとシーンとしています。昔はホームドアなんか無かったのに、ホームドアが出来ていたのはビックリ。まあ前回は1993年ですから10年以上も昔ですから変わっていてもおかしくありません。

けたたましいブザーが鳴って列車が到着します。そこそこの乗客が降りて乗り込みますが列車はガラガラでした。1駅で乗換えの市庁前です。
今度は1号線に乗換えてソウル駅に向かいます。直ぐに列車がやってきました。昔は日本の103系そっくりな車両が走っていましたが、近代的な車両でした。

今度も1駅でソウル駅に到着します。ホームドア設置工事をしているようで、仮囲いがやたら目に付きます。
改札を出て、エスカレーターを上がっていくとソウル駅の目の前で、雨にぬれず駅舎に入れるようになっています。ソウル駅はKTX開業時に新築され近代的な駅舎です。
隣には東京駅風のレンガ作りになっている旧ソウル駅舎が現存しています。

コンコースに入り、中央にあるインフォメーションを目指します。カウンターのアガシに、日本でネットで申し込んだ際のKRパスの控えとパスポートを提示して、「I'd like a pickup a ticket」というと、控えを見ながら端末を叩き流暢な英語で「今日から使うのか?」などと聞いてくる。面白いことに、カウンター上にも液晶モニターがあり、係員が操作している内容が表示されるようになっているのが面白い。
明日の指定券が欲しいと前もって書いておいた、紙を渡すと発券したばかりのKRパスを端末に読み取らせてから、日付、乗車駅、降車駅、列車種別(ハングルなので多分ですが)を入力して、照会を掛けると列車の一覧と空席状況が表示され、希望時間の列車を選択すると指定券が発行される仕組みになっているようです。
発券作業の様子が判るので興味津々で眺めてしまいます。(笑)


KRパスと釜山トンボ帰りの指定券を発券してもらい、とりあえず目的は達成しました。時計を見ると9時を回っていますから、何か食べてホテルに戻ろうと、コンコース内にある飲食店を物色すると、マックにロッテリア、カフェに韓式食堂などがあります。
本場の?ロッテリアにしようかと思ったのですが、結構並んでいるので、パスして韓式食堂のサンプルを眺めると「Beef stock soup」と言うのに目が留まりました。牛肉を煮込んだ白坦スープのようなのでそれにしてみようと、店に入りメニューを指差して注文。するとテーブルにご飯とキムチの小皿が3つ並びます。
ちょっとびっくりしますが、これがデフォルトのようで、店に入ると自動的に出てくるみたいです。

「朝からキムチかぁ〜」と突っ込みたくなります(笑)
直ぐに、スープも来て早速食べます。スープの方は意外にさっぱりと言うか味付けがされて無くて、塩コショウが欲しいところです。
突き出し?のご飯とスープにキムチで朝食を済まします。スープの中に麺みたいのが入って薄味ながらまずまずって感じでした。6000ウォンを払って店を出ると9時半近くです。急いで地下鉄の駅に戻り、今度は4号線のソウル駅をめざします。

4号線は初めて乗る路線で改札口がどこかちょっとまごつきましたが、なんとかホームに下りるとちょうど列車が到着します。島式ホームなので左右どっちの列車が明洞に行くのか確認すると、どうやら来た列車が、明洞方面行きらしく、飛び乗ります。
でもさすがに心配になって次の駅が正しいかマップと見比べます。
次の駅で駅に書いてあるナンバーを見ると大丈夫合ってました。

明洞駅で降りてホテルを目指して歩いていきます。ちょうどお店も開店準備の時間なのであちこちでシャッターやら掃除機の音が聞えます

ホテルに戻ったのが9時50分。いやはやギリギリになってしまいました。部屋に戻って用意をしなきゃとエレベーターに乗っていると途中階でiさんが乗ってきてバッタリ
18階の部屋に戻って用意をします。そうそうパスポートを忘れないようにしないと

用意をしてロビーに行くと一番最後でした。じゃあ出発〜と言うことで、板門店ツアーの集合場所である東和免税店に向かいます。ホテルの一角を過ぎると回りはビジネス街で高層オフィスビルが林立しています。
しかし歩道や道路の幅が広いのですっきりした感じです。Fさんの昨晩の武勇伝を聞きながらえっちらおっちらと歩いていきます。
親水公園みたいな所があり、Kさんが「昔高架道路があったとこを公園にした」との説明。
あー、そう言えば、東京の日本橋に空を戻そうとか言う運動があったのを思い出します。ソウルは朝鮮戦争で廃墟となったところを開発した?から道も広いからそういう事が出来るけど、東京は難しいだろうなぁ・・・

広い「世宗路」の横断歩道を渡ります。韓国の大通りは地下通路で渡ることが多いのでなんか新鮮な感じです。
10時半前に免税店に到着し、受付を済まして我々は2号車と言うことで、表に停まっている二台目のバスに乗り込みます。
板門店には初めて韓国に来た1989年に行ったことがありますが、それから16年が経っていますから何が変わったのか?とっても楽しみです。

今日のツアーはバス2台満席と大盛況です。11時少し前にバスは出発して、板門店を目指します。
ガイド役のアガシが今日の注意事項やスケジュールを説明します。
ソウルを出発してまずは、昼食と言うことだそうです。以前は、DMZ(非武装地帯)の国連軍キャンプで昼食だったのですが、規模縮小によりレストハウスが無くなったそうで、DMZ手前のレストランで昼食になるそうです。

バスは漢江沿いの高速道路を北に向けて走ります。北にいくにつれて川沿いには鉄柵が目立ってきます。ガイドさんによると、漢江は北韓から流れてくる臨津江と合流するので、スパイが川に隠れて上陸できないようにしているんだそうです。融和政策が進んでいるとは言え、北はなにをやるか判らないですからね
ソウルから約40分ほどのドライブで、統一展望台近くのレストランに到着です。まだ11時半でさっき9時に朝食としっかり摂ってしまったので、そんなにお腹は減ってないんだけどなぁ〜

ビルの2階にあるレストランに入ると、バイキング形式の料理が並んでいます。すでに結構な人が並んでいるので、まずは席を確保してから行きますかと一番奥のテーブルに陣取って、空くのを待ちます。
席からツアーの参加者の顔ぶれをみると、比較的中高年の参加者が多いようです。
暫し待った後、我々も料理を取りに行きます。
白米にチャーハン、カレーに焼肉、しゅうまいなんかが並んでいます。あんまり腹へってないんだよなぁと言いながら、カレーにスパゲティなんかをお皿に盛っているし(笑)
そうそうガイドさんがココのキムチが美味しいって言ってたのでキムチも少し・・・
席に戻ると、Kさんに「なんだ炭水化物ばかり盛ってきたなぁ」と笑われてしまった。確かに、ご飯類と麺って食い合わせは良くないんですよねぇ〜
カレーは、コクの無い塩っけの多い感じで日本のカレーとは違います。スパゲティの方は普通でした。ガイドさんお奨めのキムチは確かに美味しかったです。

満腹満腹とバスの出発までまだ時間がありますが、他の人たちはぞろぞろと店外に出て行ってますので、我々もお店をでます。
外にでると目の前はモーテルが連なっています。ちょっと先のレストランの前に生簀があるので、なんだろう?とぞろそろ見にいきます。
すると水槽にイカやら魚が泳いでいます。みんな釣り親父魚の名前が判ってしまうのが素晴らしい(笑)

バスに戻り、次の下車観光地である臨津閣にある「自由の橋」へ向かいます。レストランから10分も掛からないで到着です。
バスを降りたら記念写真を撮りますとのこと。良くツアーにありがちな市内観光の記念写真です。人数が多いので2班に分かれて撮影しますが、1枚目を撮影したら、ガイドさんが、横断幕を持ってきてこれを持って撮影しましょうと言って一番前の人が横断幕を持って撮影します。撮影の後は自由観光となり我々は展望台に登って川の全景を眺めてみます。

生憎の天気で北朝鮮側は霞んであまりよく見ることが出来ません。それに肌寒い!ソウルは長袖のシャツだけで十分だったのですが、こっちにきたら気温が低いのです。「だから寒いよって言ったでしょ」とKさん。
ソウルからわずか数十キロしか離れていないのに・・・

展望台に併設しているお土産屋みたいなところに入ると、Mさんがじぃーっと陶器を眺めています。Mさんは昨日お昼過ぎにソウルに着いてから国立中央博物館に行って、陶器を眺めてきたそうです。
自分の父親は土いじりが好きで、陶芸教室なんぞを開いているが、あまり人様の作った陶器には興味が無いみたいなので、陶器好きにも色々種類があるんだなぁとちょっと感心。

展望台を降りて、こんどは自由の橋を見物する。この橋は朝鮮戦争が停戦となり捕虜が北から帰ってきる時に「自由万歳!」と言って帰ってきたからその名前が着いています。
今は臨津江の手前で途切れていて、その先は2年前に北朝鮮へ続く京義線の線路があり、1日3本、この先にある都羅山駅まで列車が走っています。
自由の橋の行き止まりには、多くのメッセージが書かれているのが張ってあります。韓国人が自由に行き来できるのはココまで、北に残る親類への気持ちなどが書き綴られているようです。

再び、バスに戻り、いよいよDMZ非武装地帯へ出発です

つづく