12月末をもって、世界一周航空券(以下RTW)の運賃、ルール紹介ページの更新終了にあたり、いろいろ悩んだ末に決断させて頂きました。

大きな理由として、ここ数年RTWへの魅力減退に加え私自身、RTWを利用して無い事から、皆様のサポートをする事が出来なくなってきている事です。

それ以外にも理由があります。
過去を振り返りながらこの場を借りて述べさせて頂きます。

平成8年より、世界一周航空券の情報をホームページ掲載してまいりました。
その当時はインターネット自体が普及していない中の立ち上げでした。

RTWは平成5年に長谷川通氏著書「激安航空券の買い方使い方」が刊行されたあたりからパソ通など
で情報交換が流れ初めていた頃に、旅行主任試験の参考書の一つとして当時JALグループが取り次ぎしていたAirTariffを購読していた事もあり、調べてみると今では考えられないジョイントや価格が一杯存在していたのです。

情報が少ない事(宣伝してない)から、利用する人も限られ、実績が無いので運賃改定が取り残されていたりしました。
もともと、運賃設定もYで20万台前半、Cで35万前後、Fで50万台で設定されていたのです。
時には、為替変動で激安と価格になるジョイントや発券国があり、パソ通の限られた世界の中で情報が飛び交っていました。

平成8年あたりからインターネットが世の中登場し、仕事の関係もあって早くから接していた為、ホームページ開設時、何を情報として世に出そうかなと考えていた時に、このRTWが思いついたのです。
勿論、ホームページを作るからには「見て欲しい」と言う気持ちがありましたから、なかなか注目されそうなコンテンツと考えたのです。
お陰でアクセス数もそれなりにあり、雑誌などで取り上げて頂いた事もありました。

インターネットが普及するにつれ、弊害が出てきました。「インターネットにこう書いてあった」と言う輩が多く出始めたのです。
インターネットは、自由にホームページを見てますので、書かれているの内容(ルール)や、たまたま良く取り計らってくれた事を良く見ないでそのままストレートに要求するという行為が多くなってきたのです。 で、こちらに書いてある事と違う!とクレームが来たり(^^;;)

一時、会員組織化してクローズページ化も考えましたが、個人で運営しており、趣味の範疇でやっている中で、そこまで考えて運用する余力が無い事から断念した事もあります。
こんな事が増えてくると同時に、航空会社側も手を打ち始めてきました。
ルール改定、ジョイントのアライアンス化が進んできました。
ルール改定は昔は緩やかな規定しかなく、マイレージ制なら日本〜欧州〜アジア〜欧州なんてルートも取れたりしたのです。

こういう事がインターネットの掲示板などにレポートとして掲載されると、一気に同じ事をする人が多く現れると、以前は、航空会社で「良くこういうルート思いつきましたねぇ」と感心されたものですが、そうは言ってられません。

程なく、ルールに「極東と欧州間の移動は1回限り」と言う文言が追加されるのです。

こういう事が3年位前から頻繁に行われるようになりました。 これでは、折角RTWを使い、あちこち安く旅行すると言う事が出来なくなってきます。
価格もどんどんあがり、今ではYで30万程度、Cで50万以上と昔より格段に高くなってしまってきてます。
アライアンスの発展により、多くの航空会社を利用できたりして利便性は高まっているのですが、日本発が設定された事で、日本で海外発の安い運賃の発券が出来なくなってしまいました。
こんな事がここ数年で立て続けに起きると、結局は、自分で自分の首を〆てしまったのかな?と時には思ってしまいます。

もう、2年以上RTWを使った旅行をしていない状況で、情報ソースであるPassenger Airtariffの購読更新時期を迎え、来年度以降のページ更新を考えましたが、この状況下でこれ以上継続して行くことは難しいと判断するに至りました。

今でも多くの方がRTWを使って旅行を楽しんでいる事を考えれば、RTWのホームページを作って良かったと思っています。 TRAVAIRの一コンテンツとしては、今回更新作業を止める事なりましたが、他のコンテンツは引き続き更新しつづけてまいりますので、宜しくお願いいたします。

TRAVAIR 加藤昭夫
2004.12.1